9月20日の誕生花は「彼岸花(ひがんばな)」です。原産は中国で、弥生時代の頃、稲作が中国から渡って来た時、一緒に球根の状態で渡来した「帰化植物」と言われています。秋の「お彼岸」の頃に咲くことから「彼岸花」と名付けられました。寒冷地以外の日本全国で見られます。別名の「曼珠沙華(まんじゅしゃげ)」は、古代インドのサンスクリット語(梵語)の「manjusaka(マンジュシャカ)」の音写で、「法華経」などの仏典を通して伝わりました。意味は「赤い花」です。この植物は、球根に強い毒性を有する「有毒植物」です。昔は、土葬した遺体をモグラに荒らさないために、毒のある彼岸花をお墓周辺に植えたことから、「死人花」、「地獄花」、「葬式花」などとも呼ばれました。そんなイメージがあることから、お墓や田畑の土手に咲き乱れる真っ赤な彼岸花は、妖しくも不気味な迫力がありましたね。誤食した場合は、腹痛、下痢、嘔吐、ひどい場合は死に至ることもあったそうです。そんな猛毒の球根部分ですが、長時間水にさらせば食用にもなるため、飢きんの時や戦時中には貴重な栄養源になりました。「お墓に咲く花」のイメージで冷遇されている彼岸花は、鮮やかな赤に繊細で華麗な花びらを持つ美しい花です。お彼岸頃に一週間ほどしか咲かない彼岸花を、もっと温かい目で見てほしいものですね。(2024.9/15) |