6月の終わりは、1年のちょうど折り返し地点です。1月に立てた「一年の計」が頓挫しかけている人もいるのではありませんか。目標を見直すのにこの時期は最適なタイミングかも知れませんね。さて、「隗(かい)より始めよ」という言葉を聞くことがありますよね。この「隗」とは何なのでしょう。中国・戦国時代(紀元前5世紀~紀元前221年)の書物「戦国策」に書かれた逸話に出てくる人の名前です。この時代の「燕(えん)」国の「昭王(しょうおう)」が、国を豊かにするために「賢者」を招いて知恵を聞こう、と側近の「郭隗(かくかい)」に相談します。すると「隗」は、「賢者を招きたいのならまず私「隗」を優遇してください。私のような凡庸を優遇してくれるとなれば、もっと優れた人物が我も我もと大挙して集まるでしょう」と答えたと言います。こうして昭王は「隗」を重用し、その果断な決定を知った天下の人材がこぞって集まったといいます。臆面もなく自分を売り込んだ「隗」もなかなかの人物ですね。このことから、「大事業をするには、まず身近なことから始めよ」、あるいは「物事は言い出した者から率先して始めよ」、と言う意味の「故事成語」として使われるようになりました。大きな夢や目標を掲げたとき、私たちはつい「最初から完璧な一歩」を踏み出そうとしがちです。しかし、郭隗の知恵が教えてくれるのは、「まずは目の前にある、確実にできる小さな一歩から始めよ」ということですね。(2026.6/15) |