4月8日は「釈迦」生誕の日と言われる「灌仏会(かんぶつえ)」です。この日は「花まつり」とも言い、花で飾られた「花御堂(はなみどう)」に安置された「釈迦誕生仏」に「甘茶(あまちゃ)」をそそぐことで子供達の健康を祈る仏教行事で、全国の寺院で行われます。「灌仏会」も「仏にそそぐ」と言う意味です。釈迦は、北インドの「シャーキヤ(釈迦)国」の王である父(シュッドーダナ王)と母の摩耶(マーヤー)夫人との間に生まれた王子で、本名は「ガウタマ・シッダールタ」です。摩耶夫人は出産のための里帰りの途中、現在のネパールの「ルンビニ」にある花園に差し掛かった時、産気づき釈迦を産みました。諸説ありますが、それは紀元前624年4月8日のこととされています。釈迦は生まれるとすぐに、東西南北にそれぞれ7歩ずつ歩き、両手で天と地を指さし、「天上天下唯我独尊(てんじょうてんげゆいがどくそん)」と唱えたとされています。それは「この世で尊い者は私一人である」ではなく、「この世界に生きとし生けるすべての人が尊い存在である」と言う意味です。ルンビニの花園で生まれたことから、この日を「花まつり」と言われるようになりました。釈迦が生まれた時、頭上に9頭の龍(九龍)が現れて祝福し、釈迦の体に甘露(かんろ)の雨を降らせ、産湯として使わせたと言います。この伝説から、「花まつり」で人々は「甘茶」を誕生仏にそそぎ、それを飲んで厄除けとしています。「甘茶」は、「ガクアジサイ」の変種「小甘茶」から作られます。その葉は苦いのですが、発酵させると砂糖の約1,000倍の甘さになると言われています。砂糖がない時代には甘味料として非常に重宝され、漢方薬などにも使用されていました。「花まつり」の起源は、我が国では平安時代までさかのぼると言われています。(2023.4/1) |