4月8日は、「花まつり」で「釈迦」の誕生日ですね。その釈迦が興した仏教思想の話です。江戸時代後期の曹洞宗の僧侶で書家の「良寛(りょうかん1758〜1831)」の言葉に、「災難に遭(あ)う時には、災難に遭うがよい。死ぬる時には、死ぬがよい。これ、災難を逃るる妙法(智恵)にて」、と言うものがあります。文政11年(1828)11月12日、越後三条(現・新潟県三条市)でマグニチュード6.9の大地震(三条地震)が起きました。死者1,400人以上で三条は壊滅的な打撃を受けたのです。これは、その際に被害を受けた知人に宛てた見舞状の一節です。一瞬、耳を疑うような言葉ですよね。しかし良寛は、人は災難にあうと、自分の悲運を嘆き悲しむ。しかし、打ちひしがれているばかりでは、災難を乗り越えることは出来ない。だから、まずは災難という運命を受け容れる。その上で今何が出来るかを考えろ、と励ましているのです。人は「四苦八苦」から逃れようとするから苦悩が生じるのであって、「諦念(ていねん、迷いの去った境地)」として積極的に受け容れるしかない。良寛の見舞文には、人生の苦しみの解決法を示す、仏教の根幹的な教えが端的に表現されているのです。(2026.4/1) |