9月は、夏に成長した雑草(メヒシバ、エノコログサなど)が種を撒き散らす時期であり、また、涼しくなるこの時期に冬を越す雑草(スズメノカタビラ、カラスノエンドウなど)も発芽します。雑草は決して一斉に生えてこないばかりか、寒波や熱波、水不足に対しても、根を深く伸ばして生き延びることが出来ます。農業では、作物を守るために雑草の駆除を定期的に行うのに対して、雑草側もそれに対抗する戦略を持っています。それは作物に擬態(ぎたい)する雑草(擬態随伴雑草)で、人を騙して生き残りを図ります。その代表格がタイヌビエで、水田でイネの間に生え、イネにそっくりの株の形をし、イネと同じ背の高さで同じ頃に結実し、稲刈りの前に小さな種子を散布して、駆除する人の目をすり抜けて混ざり込み、次世代へと生き延びるのです。このように、弥生時代からの試練と淘汰を経て来た雑草は、人間の頭脳をはるかに超える適応力と子孫繁栄機能を持っているのです。それにあやかって、戦国時代を戦った武将らは、これら生命力の強い雑草を家紋に取り入れました。例えば、カタバミ(長宗我部元親)、オモダカ(毛利元就)、ナデシコ(斎藤道三)などです。植物学者の「牧野富太郎博士(1862~1957)」とその指導を受けた「昭和天皇」は、「雑草という名の植物は存在しない」、どんな草にも名前や役割があり、人々の都合で邪険に扱うような呼び方をすべきではない、と戒めました。(2026.9/1) |