優れた作家活動と美濃陶芸の育成に尽くした事績に対し顕彰する。
事業内容 故五代加藤幸兵衛氏の遺徳と功績を讃える事を目的とした基金をもとに、理事会・選考委員会で選定した受賞者に賞状と賞金30万円を授与する。
昭和58年に幸兵衛賞の名称で開始したが、七代加藤幸兵衛氏との混乱を避けるため、平成23年に卓男賞と改名した。


受賞理由 陶芸の基礎技術を武蔵野美術短期大学、多治見市陶磁器意匠研究所にて習得した後、日展評議員の加藤釥・令吉両氏に師事し、さらに研鑽を積んだ。
現在 土岐市の工房にて磁器の青白磁・白磁を中心に創作している。
特に大型の作品は、轆轤と手捻りを組み合わせて成形し、磁器では難しいこの技法を独自に確立して優れた作品を生み出している。 最近では玻璃釉というオリジナル釉薬にも挑戦している。  
日展など全国規模の公募展に積極的に出展し、日展東海展(2023年)においてCBC賞を受賞した。
2010年、美濃陶芸協会に入会。
2019年度に美濃陶芸協会理事に就任し、2021年度から総務委員長を務め協会の発展に尽力していることが評価された。
主な陶歴

1959年 神奈川県鎌倉市生まれ
1981年 武蔵野美術短期大学卒業
1983年 多治見市陶磁器意匠研究所卒業
1986年 朝日現代クラフト展入選
1991年 瀬戸市・日展評議員の加藤釥、令吉両氏に師事
1995年 土岐市にて独立
      陶芸ビエンナーレ展入選(1997同展入選)
1997年 日展初入選 (以後9回入選)
1998年 朝日陶芸展入選
2010年 社団法人美濃陶芸協会 入会
2012年 高岡クラフト展入選
2014年 現代茶陶展奨励賞受賞
2015年 美濃陶芸展中日奨励賞受賞
2016年 萩大賞入選
2017年 女流陶芸T氏賞受賞
      美濃陶芸永年保存事業作品選定
2021年 岐阜県伝統文化継承者表彰受賞
2023年 日展東海展 CBC賞受賞

個 展   土岐市、岐阜市、春日井市
グループ展 土岐市、名古屋市、東京など

現 在   (公社)日展会友
      (公社)美濃陶芸協会理事(2019年度~現在)
      土岐市に在住
発表 令和5年(2023)6月20日





美濃陶磁の次世代を担う作家の育成を目的とし、近年の活動が顕著な作家を奨励する。
事業内容 加藤智子(かとうさとこ)氏より寄贈された寄付金を基に、理事会・選考委員会で受賞者を選定し、賞状と賞金100万円を授与する。
受賞者は一年かけて作品を制作し、公的機関に寄贈する。


受賞理由

土岐市駄知町の窯元、有限会社カク林製陶所(鶴琳窯)に生まれ、陶芸の基礎技術や知識を多治見工業高等学校 専攻科で学んだ。
自ら改良した道具を用いて、線刻という様々な文様を刻む技法を得意としている。
色あざやかな数種類の釉薬を用いて、彩り豊かな中にシャープな刻線が浮きでる独自の技法で器を中心に作陶している。
個性的な作品は高く評価され、ファンも多い。
20年以上、駄知小・中学校で陶芸指導を行い、児童・生徒の作品を駄知陶磁器工業組合の仲間で穴窯にて焼成するなど、伝統文化を伝える活動を行ってきた。 この活動により、2020年に代表として「岐阜県地域子ども支援賞」を受けている。
2020年度美濃陶芸協会理事に就任。
今後の活躍が期待され、美濃陶芸の発展に貢献する逸材と評価された。

主な陶歴

1974年 岐阜県土岐市駄知町に生まれる
1996年 名城大学理工学部建築学科 卒業
1999年 関東での大手ゼネコンでの勤務を経て故郷へもどる
2001年 岐阜県立多治見工業高校 専攻科陶磁科学芸術科 卒業
2014年 美濃陶芸協会 入会
2018年 土岐市よりイタリア・ファエンツァへ派遣
2020年  美濃陶芸協会 理事に就任

現在、家業である鶴琳窯にて産業としての美濃焼にも向き合いながら、陶芸家として作陶にはげむ
(公社)美濃陶芸協会 理事
美濃焼伝統産業組合 理事
駄知陶磁器工業組合 理事  

発表 令和5年(2023)7月10日



2023年7月10日の顕彰式には長男英人氏が出席されました。
顕彰理由

公益社団法人美濃陶芸協会・顧問 加藤孝造先生が、令和5年4月17日午前5時逝去されました。
孝造先生の若手陶芸家に対する熱心な指導は、陶芸協会員のみならず、私塾「風塾」を主宰されました。 また、教育機関での講演や技術指導、学生の工房見学の受け入れ等、多岐にわたりました。
若手陶芸家の育成に尽力され、美濃陶芸の発展に寄与された功績を称えると共に、孝造先生への感謝の気持ちとして、「特別顕彰 美濃陶磁育成智子賞」を贈る運びとなりました。   
美濃陶磁育成智子賞は、本来、加藤智子氏より寄贈された寄付金を基に美濃陶磁の次世代を担う作家の育成を目的とし、近年の活動が顕著な作家を奨励する賞ですが、 美濃陶磁育成にご尽力された孝造先生に、加藤智子氏のご寄付を頂き特別顕彰を贈ることを顧問会(受賞者選考委員会)にて決定いたしました。

主な陶歴

人間国宝認定時の陶歴はこちら

発表 令和5年(2023)7月10日



お問い合わせは、 公益社団法人美濃陶芸協会事務局 Tel.0572-25-5551 Fax.0572-25-5879 Email