1300年の美濃焼の歴史のなかでも「陶芸」と呼ばれるものが作られ始めたのは、比較的新しい時代のことです。昭和初期に、陶磁の芸術・工芸という意味で 「陶芸」という言葉が誕生しましたが、そもそも芸術や工芸という考え方自体が、明治時代に万国博覧会への出品に際し、日本文化をドイツ語に翻訳するために 導入された概念であり、芸術や絵画、彫刻などと同様に工芸という考え方も、同じ頃に翻訳されたものであるからです。美濃においても「陶芸作品」が創られ始めたのは昭和初期のことです。瀬戸出身の加藤土師萌は多治見陶磁器試験場に赴任し、その2年後の昭和2年 (1927)美術工芸部門が新設されて初めての帝展に入選します。さらに昭和6年(1931)、同展に五代加藤幸兵衛も入選となり、美濃の陶芸が本格的に 動き出しました。
加藤土師萌が戦前に技師として、戦後は五代加藤幸兵衛が場長として勤めた多治見陶磁器試験場は、多くの陶芸家を輩出しました。また岐阜県立多治見工業高校 も美濃の陶芸の発展には多大な影響を与えており、後の美濃陶芸協会に繋がる「灼土会」が設立されことはその代表的なものです。戦前・戦後は、美濃でもたくさんの作陶グループが結成されました。先の加藤土師萌や五代加藤幸兵衛、荒川豊蔵などがその先頭に立ち、その後を追う美濃の作 家達の指針となりました。また作家同士が切磋琢磨しながらより高い技術を磨くことができたのも、歴史ある美濃だからこそといえるでしょう。この展覧会では 美濃における陶芸の幕開けを紹介し、現代の美濃陶芸の礎を再確認することができます。(多治見市美濃焼ミュージアムサイトより転載)
日時

平成25年1月4日(金) 〜 3月28日(木)

会場 多治見市美濃焼ミュージアム・企画展示室
入場 入場には観覧料¥300が必要です。
主催 多治見市美濃焼ミュージアム / 公益社団法人美濃陶芸協会
内容 上記掲載

 下記のイベントは、いずれも同館研修室で開催します。(入場無料)
 *館内展示室をご見学の場合は、観覧料¥300が必要です。

講演

平成25年1月27日(日) 13:30 〜 15:00(入場無料)
講演「現代陶芸と美濃」
・講師 / 金子賢治(多治見市美濃焼ミュージアム館長)

トーク 平成25年2月10日(日) 13:30 〜 15:00(入場無料)
同館学芸員による「ディスカバリートーク」
対談 平成25年2月24日(日) 13:30 〜 15:00(入場無料)
対談「美濃の陶芸を語る」
・加藤孝造(美濃陶芸協会名誉顧問 / 人間国宝)
・安藤日出武(美濃陶芸協会参与 / 岐阜県重要無形文化財保持者)


お問い合わせは、 公益社団法人美濃陶芸協会事務局 Tel.0572-25-5551 Fax.0572-25-5879 Email