地方自治体「岐阜県」は明治4年11月22日に誕生しましたが、その他の都道府県の成り立ちは少々複雑です。明治元年(1868)、明治政府はかつての江戸幕府「直轄地(天領)」であった「領地」のうち、重要な地域を政府直轄の「府」と定めました。「府」には「行政・軍事の中心」の意味があり、政府にとっての重要度を示したものです。当初「府」は、箱館(当時の表記)、東京、神奈川、越後、甲斐、京都、大阪、奈良、度会、長崎の10ヶ所に置かれましたが、その翌年「東京府(首都)」、「京都府(旧都)」、「大阪府(商都)」の3府だけとなりました。さらに、明治4年(1871)4月、「廃藩置県」が施行され、江戸時代から引き継がれていた「藩」を政府直轄の「県」とし、「3府302県」と莫大な数の「県」が誕生しました。その後、多すぎる「県」の整理・統合が繰り返され、明治16年(1883)までには「3府44県」となりました。美濃・飛驒も12の県がありましたが、明治4年11月に統一されて「岐阜県」が誕生しました。沖縄は、琉球国→琉球藩→沖縄県→アメリカ統治→沖縄県と、複雑な経緯があります。そして明治19年(1886年)には、蝦夷(えぞ)地の3県が統合し「北海道庁」が設置されました。これにより「3府41県1庁」になります。その後、「大阪府」から「奈良県」が、「愛媛県」から「香川県」が独立して「3府43県1庁」となります。その約50年後の昭和18年(1943)、「東京府」とその中の「東京市」が廃止され、首都の意味の「東京都」が生まれます。さらに戦後の昭和22年(1947)には、「北海道庁」が「北海道」と改称され「道」が生まれました。こうして、現在の「1都1道2府43県」の「47都道府県」となったわけです。(2024.11/15) |