3月も下旬ともなると桜が開花しはじめ、日本人が大好きな「お花見」が各地で行われますね。このお花見は、単なる「桜の木の下で行うピクニック」ではなく、春になって山から下りて来た「田の神」をお迎えする行事と言われています。それに加え、秋の豊作を半年前の春に祝ってしまおうとする「呪術行事」だと言う説があります。これを「あらかじめ祝う」と言う意味で「予祝(よしゅく)」と言います。昔は、干ばつや飢きん、災害、疫病が多くて、実りある秋を迎えられることが本当に少なかったようです。しかし、農民は自然の猛威の前には無力で、それは恐怖以外の何ものでもありませんでした。だからこそ、春に「豊作の前祝い」をしてしまい、その確信を得ようと「おまじない」の意味で「お花見」をしたのです。もちろん、それが思い通りの結果にならない場合もありますが、そこに至る「やる気」を喚起する大事な「モチベーションアップ」の方法だったのです。この手法は現在もいろいろな分野で行われていて、我々も知らず知らずにやっていますよね。仕事上でもスポーツなどの勝負事でも、事前に自分の脳内に「成功のイメージトレーニング」をすることで、不安を取り除いて自信や確信を得るのです。従って「予祝」とは、良い結果を引き寄せるための究極の「ポジティブ・シンキング(前向き思考)」と言えます。昔の農民も侮れませんね!(2025.3/15) |