11月は、気候が安定していて祝日も多いことから、1年のうちで最も多く結婚式が挙げられる月だそうです。さて、披露宴でのあいさつやスピーチの時、使ってはならない「忌み(いみ)言葉」と言うものがあるそうです。例えば、「去る」、「再び」、「戻る」、「最後」、「流す」などですね。「忌み言葉」とは、特定の場所において使用を避けるべき言葉で、不吉なことを連想させる言葉や、不幸が続くことを連想させる「重ね言葉」などが該当します。結婚式ばかりでなく、葬儀の場でも「忌み言葉」は数え切れないほどあります。これらは、日本人独特の「言霊(ことだま)」思想に基づくもので、声に出した言葉が、現実の事象に何がしか影響すると信じられ、良い言葉を発すると良いことが起こり、不吉な言葉を発すると凶事が起こるなど、言葉の霊力が信じられて来たのです。この現代でもそれが重要視されているのは、驚くべきことですね。「忌み言葉」は、何も結婚式や葬式の場だけのものではありません。日常でも縁起を担いで、不吉を連想させる言葉を別な言葉で「言い換える」ことが多くあります。例えば、「猿」は「去る」に通じて別れや不幸を連想させるため、「得手(えて、得意とすること)」と言う縁起の良い言葉を借りて「エテ公」と言ったりします。「スルメ」は「掏る(する、奪われる)」に通じるのを忌んで、「アタリメ」と言い換えます。「閉幕→お開き」、「箸(はし)→お手元」など、これも切りがありません。日本人やってるのもメンドクサイことですね!?(2025.11/1) |