◀ 2026年4月2日(木)に厳正な審査が行われ、下記の入賞作品が決まりました ▶



〈敬称略、寸法=cm〉
14 加藤 三英 「炭化黒銀彩茶盌」 〈会員〉
  カトウ ミツヒデ タンカグロギンサイチャワン  
  縦13.3×横13.3×高9.8  
▶審査員講評〈石﨑 泰之〉
古来茶碗は、「形(なり)」・「比(ころ=大きさや重さ)」・「様子(ようす=色彩・釉調や質感)」の造形性が目利(めきき)の要(かなめ)とされてきた。本作は、これらのバランスが優れているほか、とりわけ視覚と触覚の最前線である「様子」の独創的な表現性が高く評価された。それは、黒釉と銀彩の渋い輝きに喚起(かんき)される「雲間(くもま)の月」の情景をよすがに、宏大深遠(こうだいしんえん)な宇宙に触れるような知覚へと誘(いざな)う、拡張的表現性の成功といえる。




201 Tan Tech Heng 「Dancing Queen」 〈一般・シンガポール〉
  タン・テック・ヘン 陳徳興 ダンシングクイーン  
縦13.5×横14×高8.5
▶審査員講評〈正村 美里〉
口縁部の大きな湾曲とそれに呼応する見込み内の釉の流れは、まるで砂浜に打ち寄せる波の端のようである。素胎に掛かる釉溜りは淡いグリーンからピンクへと窯変し、口縁部は灰を被り、高台脇は還元により青白磁の相を呈す。作者はシンガポールに生まれ、長きにわたって様々な国で薪窯による磁器の焼成を試みてきた。釉胎共に多国籍的な表情を見せる、優雅にたゆたう舞姫である。




28 富岡 大資 「点刻文茶盌」 〈会員〉
  トミオカ ダイスケ テンコクモンチャワン  
  縦13.2×横13.2×高8.8  
▶審査員講評〈正村 美里〉
碗全面には這(は)うように施されたベージュ色の畝(うね)は、黒粘土の胎に掛けた化粧土に、自作の刀でひとつひとつ穴を穿つことで出来上がっている。網目の文様が扇状に広がり、リズムを作る。青海波の輪郭と柔らかに波打つ口造り、やや小ぶりの、畳付までふっくらとした楕円の器形が見事に調和し、碗を球体のオブジェへと変容させている。団体展に出品される大型の花器とは異なる趣を見せ、文様が胎を包み込んで抱擁する。




119 酒井 紫羊 「飛鉋象嵌白磁茶碗・青碧」 〈一般〉
  サカイ シヨウ トビガンナゾウガンハクジチャワン・アオ  
  縦14.5×横14.5×高7  
▶審査員講評〈石﨑 泰之〉
飛鉋(とびがんな)は、轆轤(ろくろ)の削り仕上げ時に施される加飾技法。躍(おど)り篦(べら)とも呼ばれるように、偶発的な削り痕の連続が、器表に素朴な飛び文様を表し、近代陶芸では民芸陶器の代表的文様の一つとして知られている。本作は、白磁胎(はくじたい)の内外面に飛鉋を施してから削り痕に青料(せいりょう=呉須や釉薬、粘土)を象嵌(ぞうがん)した、朝顔形(あさがおなり)のすっきりとした茶碗。汀(みぎわ)に寄せる細かな波動を想わせる鉋跡の青色が、夏茶碗に相応しい清涼感を添えている。




215 兼田 知明 「萩線刻茶碗」 〈一般〉
  カネタ トモアキ ハギセンコクチャワン  
  縦14×横14×高9  
▶審査員講評〈石﨑 泰之〉
腰が張らずに高台(こうだい)から口縁(くちべり)まで素直にひろがる、いわゆる杉形(すぎなり)の茶碗。ただし本作は高台が低い。土味(つちあじ)や枇杷釉調(びわゆうちょう)など、伝統的な萩焼茶碗の侘びた趣(おもむき)を意識して拵(こしら)えたように思える。しかし、古萩で胴部に縦目の線刻が施された作例は管見(かんけん)ながら知らない。幾筋もの粗い沈線(ちんせん)は作り手のオリジナルだろう。古風を換骨奪胎(かんこつだったい)して現代風を目指す挑戦作として評価したが、さらなる強度を求めたい。




105 旭 守男 「藍志野茶盌」 〈一般〉
  アサヒ モリオ アイシノチャワン  
  縦10.6×横10.9×高9.0  
▶審査員講評〈正村 美里〉
美濃の原土から胎土を作り鉄分の多い黒釉の上に長石を掛けることで、志野釉が藍色に発色している。鬼板による筆描きに加え、大小の鬼板の粒が銀色に浮き出し、まるでアクションペインティングのような激しい意匠にあがっている。一方、薄造りの筒型(つつなり)の器形は、丸い腰から端反りの口造りまで、楽茶碗をも想起させる優しい面持ちである。削出しの低い高台も含め、重量感を感じさせない軽やかな今志野となっている。



敬称略
審査員 石﨑 泰之   岐阜県現代陶芸美術館館長
正村 美里   岐阜県美術館副館長、兼学芸部長
林 正太郎   日本工芸会正会員、岐阜県重要無形文化財保持者



敬称略
NO. 作家名 入賞作品
縦×横×高、cm
住所 区分
〈 美濃茶盌大賞 〉 14 加藤 三英
カトウ ミツヒデ
炭化黒銀彩茶盌
タンカグロギンサイチャワン 13.3×13.3×9.8
岐阜県 会員
〈 金賞 〉 201

Tan Tech Heng
タン・テック・ヘン 陳徳興

「Dancing Queen」
ダンシングクイーン
13.5×14×8.5
シンガ
ポール
一般
〈 銀賞 〉 28

冨岡 大資
トミオカ ダイスケ

点刻文茶盌
テンコクモンチャワン
13.2×13.2×8.8
岐阜県 会員
〈 銅賞 〉 119 酒井 紫羊
サカイ シヨウ

飛鉋象嵌白磁茶碗 「青碧」
トビガンナゾウガンハクジチャワン・アオ
14.5×14.5×7

岐阜県 一般
〈 東濃信用金庫賞 〉
石﨑 泰之 選出
215 兼田 知明
カネタ トモアキ
萩線刻茶碗
ハギセンコクチャワン
14×14×9
山口県 一般
〈 東濃信用金庫賞 〉
正村 美里 選出
105

旭 守男
アサヒ モリオ

藍志野茶盌
アイシノチャワン
10.6×10.9×9.0
岐阜県 一般



展覧会名 第27回美濃茶盌展〈多治見展〉
会期

2026年 5月1日(金)~5月3日(日) 10:00〜18:00 (初日のみ10:30〜)

会場 セラミックパークMINO・国際会議場 
入場 無料
開会式 / 表彰式 2026年5月1日(金) 午前10:00より会場にて
後援 岐阜県 / 多治見市 / 瑞浪市/ 土岐市 /可児市
朝日新聞社 / NHK岐阜放送局 / 岐阜新聞社 / 岐阜放送 / 中日新聞社
中部経済新聞社 / 東濃新報社 / 毎日新聞社 / 読売新聞社
(公財)セラミックパークMINO
協賛 東濃信用金庫
展覧会名 第27回美濃茶盌展〈名古屋展〉
会期 2026年 6月10日(水)〜6月16日(火)   10:00〜20:00 (最終日16:00まで)
会場 JR名古屋タカシマヤ11階美術画廊
入場 無料
作品販売 名古屋展では作品の販売をいたします。(販売希望作品のみ)

 




お問い合わせは、 公益社団法人美濃陶芸協会事務局 Tel.0572-25-5551 Fax.0572-25-5879 Email